やわらかいまいにち

思い出すのも難しい、ありふれた日常

カラオケが苦手

まだ大学に入ったばかりの、ちょうど今くらいの話。

サークルの新歓の三次会くらいでカラオケに行ったあと、同じクラスの女の子たちとマックで話すことになった。するとある子が「さっき全然歌うまくないくせにバンプ歌った男いたじゃん? 下手なのに車輪の唄なんか歌うなよって感じ」と言い出した。わたしはそれまでカラオケに行ったことがほとんどなかったから、そのときは『歌が下手な人はバンプを歌っちゃいけないようだ』と素直に学んでいた。

だけど、10年以上経った今なら言い返せる。カラオケなんだから好きな曲歌ったっていいじゃん?って。爽やかに言い返せる。

そりゃハイティーンの自己顕示欲とかはあるけれど、盛り上がりを考えた選曲をしなければならないのかもしれないけど、歌が下手だからっていうのがバンプ歌っちゃいけないって理由にはならないよなあ。(ちなみにそれを言った子は特別バンプが好きというわけではないらしい。そして自分は歌が上手いことが自慢らしい。)

だからカラオケって苦手。帰り道やお風呂で一人で歌ってたほうが楽しいのよ。好きに歌わせてちょうだい。

考えても文章が書けないので、殴り書きというものを

最近、文章が全然書けないなあと悩んでいる。理由はたくさんあって、明確なのもいくつかある。

ひとつは、「好きです!」と言われるのが怖いこと。

物心ついてからの悩みなんだけど、自分の想定以上の「好きです!」がとっても苦手。好きでもない人に告白されても全然うれしくないタイプの人間だし、グイグイ好意を持ってこられると裏に何かあるに違いないと距離を起きたくなる。だからこそ「あなたの文章がとっても好きなんです!」と言われてしまって、自分の文章から距離を起きたくなった。

「いや、贅沢言うなよ」って声とかもろもろ聞こえてきそうだけど、そういう声もそれなりにわかっているので黙っててほしい。そういう人間もいるんだし、わからないならほっといてほしいし、わかったとしても必要以上に同意してもらいたくもない。あまのじゃく?うん、知ってるから、何も言わないで。

でもこれは「わたし」に対してそうなのが居心地悪いのであって、「わたしのプロダクト」に対してならとってもうれしいという気持ち(――多くの人にはよくわからない感覚なんだろうけど)。だからこれからは「わたし」じゃなくて「わたしのプロダクト」を育てていこうと決心しました。気付いたらサーバー設定もされていたので、こちらはコツコツ育てていきます。時期が来たら表に出しますので、しばしお待ちを。これぞunder construction。

もうひとつは、「普通」がわからなくて悩んだこと。

大衆向けの記事は一般化されたしあわせな家族像などを描く必要があるんだけど、それを全然感覚として持っていないから「一般的なしあわせ像」に入れない自分に嫌気が差して「あーもうやだー」となりました。

例えばこの前のインタビューで、

Q:ご家族と離れてるけどメールする……ってどんなメールですか?
A:そうですね、普通のメールです。お友達とも普通にメールしますよね、今のテレビ見た?とかって。そんな感じです。

と言われたんだけど、いやわたし友達と今見てるテレビについてメールしたことなんてないわ、でもそれが普通なんですか?あーもうそういうの全然わからん!と割とパニックになりました。

ほかにも週末は友達とランチに行って、とか結婚式にたくさんの友人に囲まれてとか、家族旅行とか。全部したことない。したことない自分も嫌いだけど、したくないって思ってしまっている。「別に学校行かなくても他で学べればよくない?」と思っているわたしが、不登校の子を学校に行かせるtipsとか書くのもおかしい。

だからそういう「一般的なしあわせ」について書くのは、クライアントのためにもわたしのためにもならないからやめようって思いました。

 

そんな感じで、久しぶりにテキストサイトをやっていたころに書いていた文体で文章を書いたらすこぶる楽しかった。

note.mu

たまにはこんなふうに自分が喜ぶ文章を書いても、いいんだなって。別に(仕事の締め切りさえ守れば)だれにも迷惑かからないしね。

30歳になって、ようやく自分の輪郭がうっすら見えてきた気がします。noteに書いたひなちゃんは、物心ついたころからわかってるもんだよ?って言ってたけどね。わからない人間もいるのだ。自分ができることができない人は、案外いるんだよ。あ、これはわたし自身への伝言でもあるんだけども。

「旅ルミネ 佐渡島」に行ってきました。

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旅ルミネ、というイベントに行ってきた。新しい出会いのある"旅"の道しるべを提案するプロジェクトの第一弾イベントだという。

今回のテーマは新潟県佐渡島新潟県出身のわたしだけど、佐渡に行ったことがない。修学旅行は日光だったから。行ってみたいなあと割と最近になって思っているけど、車の運転ができないわたしの旅行候補からはいつも外れていた佐渡

旅ルミネのイベントも、知ったときは「へえー」くらいだったのだけど、しあわせのパンと呼ばれるパン屋さんが来ると聞いて行くことにした。おいしいパンは正義。おいしいお米も正義。おいしいだけじゃだめなのは知ってるけど、おいしいものが好きだ。

そんなこんなで開場30分後くらいに到着。平日の昼間なのに、たくさんの人がいる。

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これはやばいぞ、と一目散に目的のT&M Bread Deliveryさんへ。すでに売り物は残りわずか、アップルパイ10箱と焼き菓子が2袋くらい。

「How are you? お元気ですか?」

レジに並んでいるときに、お店の方に話しかけられた。アメリカ出身の店主マーカスさんはとても陽気で、並んでいたわたしたちに次々と話を振ってくれた。もう売り切れちゃいますね、と話しかけると「そうなの、明日の分も取っておかなきゃだからね」と残念そうに答えてくれた。大人気だなあ。佐渡のお店に行ってみたい!

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買ってきたアップルパイは、これから食べます。わくわく。

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気になっていたジャムのお店、佐渡保存さんでも買い物。試食させてもらってお話しているうちにパンに塗ったり料理に使ったりするイメージがどんどん具体化してしまった。ひとつしか買わないぞと決めていたのに3つも買ってしまった。

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向かって左からゴボウトユズミソ、ナスノビネガーチャツネ、チェリーサングリア。

チェリーサングリアのさくらんぼは、自分たちで摘んだものを使っているらしい。生ハムとクリームチーズといっしょに食べるとおいしいと教えてもらった。料理するのが楽しみになるなあ。

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最後に買い物をしたのは加藤酒造店さん。酒の陣にも出ていたというので「酒の陣だとこうしてゆっくりお話できなくて、覚えてなくてごめんなさい」と話すと、そうですよねと答えてくれた。酒の陣も楽しかったけど、こうやって酒蔵さんとおしゃべりしながらお酒について知るのも楽しい。東京出身で今は佐渡で暮らすスタッフの方がさわやかに話してくれた。

お酒はどれもすっきりとしていて飲みやすくて、ごはんを邪魔しない味だった。純米大吟醸も香りが強すぎない。今日はとっても飲みやすい純米酒「拓(ひらく)」を買ってきた。家にはまだ酒の陣で買ったお酒もたくさんあるから、こちらも大事に飲もう。おいしいお魚に合わせたいなあ。

人混みが苦手なわたしは、一通りぐるり回って1時間しないで出てきてしまった。ここで書いたのは買ってきたお店だけだけど、佐渡におもしろいお店があると実感できる楽しい時間で、人は多かったけど鼓童佐渡市のブースのみなさんとも楽しくお話できる余裕もあって本当に楽しかったです。

佐渡、楽しそうだなあ。ペーパードライバー卒業しようかなあ。

※イベントは明日、3月24日もやっています。詳しくはリンクへ!

www.lumine.ne.jp

 

……こういうイベントにお仕事で関われるようになりたいなあ。

寝る前の読書に、Kindle

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寝る前のKindle読書を再開した。しばらく読書できずにいたけど、毎日ちょっとずつ本を読むという時間が今はたまらなく楽しい。

ちょうど昨日読み終わった本は、宮下奈都さんの『羊と鋼の森』。前から気になっていたお話で、山崎賢人さん主演で映画化も決まっている。普段は映画化すると決まっている本は読まないと決めているけど、映画化の前から本で読みたかったからと選んでみた。

途中まで映画のキャストをほとんど知らずに読んでいたから、頭の中で描いていた人とキャストが違ったのもおもしろい。秋野さんは大倉孝二さん、板鳥さんは中村梅雀さんで話を進めていたのでキャストを見たときに「そうきましたかー!」とひとりで楽しんでいた。

内容も眠る前に読むのに本当にちょうどよかった。感動しすぎて眠れないわけでもなく、キャラクターから学ぶことも多くて、じんわり心が温かくなる日常の延長線上にあるだろう穏やかな物語。

寝る前に読む本だから、といくつかルールを設けている。それが以下4点。

・ビジネス書や自己啓発は読まない本
・人が死なない本
・ドロドロしていない本
・難しすぎない本

平和なお話を読もうと決めていて、それは人が殺されるような刺激の強いものは読みたくないなあと思ったから。夢に出てきそう。前に『20世紀少年』のひとつめをレイトショーで見たら、そのまま夢に出てきてすっごく怖かった過去があるので、そういうのは避けたい。(でも3つ全部見ました。)

ほかにも朝井リョウさんのお話は大好きだけど『スペードの3』を読んでたら気持ちをえぐられて本当につらくて、もう本当早く読み終わりたいつらい……となったので、そういうのも避けている。(朝井リョウさん好きです。読んだ中では『少女は卒業しない』が特に好きです。)

読みながらうとうとして、眠くなったら電源を落としてそのまま眠る。寝る直前までスマホをいじっていたときよりも気持ちも楽だし「スヤァ」と眠れるのが何よりも気持ちいい。

今夜からは何を読もうかな。人が死ななくて、穏やかな、そんなお話を読みたい。

 

Kindleがよかったよ!という日記は過去のものをご参照くださいませ〜

t-cabi31.hatenablog.jp

冬眠の寝床から、春の兆しを見つけて

ツイッターを1週間休んでみた。正確には別アカウントは通常営業していて、このアカウントもそこそこ見てはいた。でも、何かを発言する気になれなくなっていた。

理由は、そうだなあ、なんだったかなあ。きっかけは、たまたま旅行していて見る時間がなかったこと。次に、そこまでして伝えたい何かを思いつかなかったということ。この2点なんだと思う。ポルノグラフィティだって歌っていたじゃないか。「言葉にできないことは無理にしないことにした」って。*1

一人で遠くに行くと、ついだれかと思いを共有したくなるけども。でも140字では安っぽい言葉しか出てこないし、もっともっときれいな140字を並べられる人を知っていた。じゃあいっかあ、わたしの中に留めておけば。そんなところ。

ツイッターをしないデメリットは、ウェブの世界の片隅で仕事をしているのにその世界に少し疎くなってしまうこと、流れに取り残されてしまうことだろうか。書いていて少し虚しいけど、そんなことを思った。

書くことさえ、少し億劫になっていた。だれかの共感がほしくて書いている自分の文章を見ていたら、やるせない気持ちになった。書いたときは本心に変わりなかったのに、そこから透けるいやらしさに気付いてしまった。共感やブランディングを力に発信ができないわたしは、たぶんインフルエンサーになんてなれないんだろう。ウェブの仕事をしているのに。

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気付いたら、気温も暖かくなって春のような天気になっていた。今年はまだ、走り出したくなる気持ちにはなれていないけど、それでもゆっくり、ほんの少しずつ、進めたらいい。気が向かなければ青い空を眺めたり、雨の音を聞いたり、花にカメラを向けたり、そんなふうに立ち止まってもいいかなあ。「余計なスピードは要らない 唄うようなペースで構わない」って、関ジャニ∞も歌っていたから。*2

走り出したくなったら、思い切り走ってやる。今行くぞ、春。

*1:ポルノグラフィティ 2ndシングル『ヒトリノ夜』より。

*2:関ジャニ∞ 『イッツマイソウル』カップリング『BJ』より。

140字で収まらない、アンナチュラルの感想備忘録

年明けから始まった、とても大好きになったドラマが終わってしまった。

アンナチュラル。

家庭の事情で医療ドラマが見れないため、1話は見逃してしまっていた。でもなぜだか、どうしても見たくてTVerを初めて利用した。最初からすごくおもしろくて、米津玄師さんの曲が入るタイミングも最高で、そのあとも毎週欠かさずに楽しみにしていた。(ありがとう飲み会続きの夫よ。)

2話のミコトさんと六郎くんが閉じ込められたときは絶対死なないだろうけどハラハラしたし、凡人なはずがない窪田くんが週刊誌のスパイだと知ったときは震えた。5話のラストの中堂さんが美しすぎて、つらかった。きっとこの人は一線を越えようとしている。そんな儚さが、とにかくつらくかった。それに乗る主題歌『Lemon』も最高だった。

あの日から、わたしは取り憑かれてたように『Lemon』を聞いた。生まれて初めてiTunesで音楽を買って、何度も何度も何度も繰り返し聞いた。死んでしまった中堂さんの恋人に思いを馳せながら、違うだれかを思いながら、何度も。きっと、わたしも同じように思うんだろう。「わたしのことなど、どうか忘れてください」と。

その後のいじめの話でも、Lemonがかかった瞬間に泣いていた。わたしが死んでもいじめたやつらは名前を変えて、場所を変えて生きていく。それでも生きてと、ミコト先生は訴えていた。

この3カ月、割とわたしは「死」というものについて考えている。まるで取り憑かれているようだった。

でもアンナチュラル最終回はひとつの結末を迎えながらも、不条理な死が起こる現実世界や何にも代えがたい尊い仲間がいる日常が、これからも続くことを示している。わざわざ「仲間です」なんて言わなくても存在するチームワークが最後に見えた。*1

割と毎回泣いていたけど、最終回の最後でもLemonがかかったらやっぱりわたしは泣いていた。六郎くん、よかったね。そんなことを思いながら。

そうして迎えた最終回が終わると、なんだか「死」から解放された気持ちになった。それでも生きようと、涙を拭っていたわたしがいる。

こんなに心ごと揺さぶられたドラマは久しぶりだった。こんなにも聴き込む音楽も、本当に久しぶり。ああ、わたしの気持ちはまだこんなに動くのかと、少し驚いてもいる。

これを書いているのはドラマが終わった直後。まだ気持ちがぼーっとしているのか、せっかく書いた文章の締め方も忘れてしまったみたいだ。とにかく、『アンナチュラル』はすごくよかった。そう記録しておきたい。忘れたくないから、この気持ちを。

*1:あれはスタンドプレーによるチームプレーなんだろうな。

春色アイシャドウ

今日はいつもよりポカポカだった。こんな日はいつもよりアイシャドウに明るい色を使いたくなる。

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……と、言っても色味のあるアイシャドウは持っていないないので、前に買ったKATEのアニバーサリーパレットを使った。ベージュのラメを下地にして、アイホールには薄いピンクを乗せた。目のキワは黒に近い焦げ茶でラインを引く。いつもはブラウンだけの目元が、春らしさをまとった気がした。

季節に合わせたメイクが楽しいと思ったのは昨年会社を辞めてから。29歳になって気付くなんて遅すぎるけど、気付いたらメイクはとっても楽しかった。たまに道具を変えてはいたけど、それまでは基本毎日同じメイク。なんとか人前に出ても良いメイクを最低限施して家を出るのがやっとで「今日はどうしよっかな」と悩む時間なんて平日の朝に作ることができなかったのだ。

でも「今日は夏日っていうから、大粒ラメにしようかな」と考えてメイクするって、なんて楽しいんだろう。久しぶりに新しいアイシャドウがほしくなった。

と言っていたけれど。

こんなにるんるんでメイクしたのに、花粉症の薬を飲み忘れてひどい鼻水とくしゃみと目のかゆみに襲われ、この後メイクなんて気にしてられないくらい顔がぐしゃぐしゃになった。やっぱり花粉が飛ぶ時期は、人前に出るとき以外は最低限のメイクに控えたほうがわたしには合っているのかもしれない。