やわらかいまいにち

思い出すのも難しい、ありふれた日常

晴れ空に憧れて

新潟の電車が雪で半日線路に立往生していたという。わたしも数時間だけど、似たような体験をしたことがあった。もう10年以上前の話。学校に遅れて行ったのは、あの1回だけだったはず。

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一方で今日の東京は、まるで春が来たような晴れ空だった。ここでいう春は、新潟の春のこと。寒い冬を越えた先にある春。最高気温が10度に満たない、よく晴れた日のこと。雪でも吹雪でも短いスカートの制服で学校に通っていたあのころは、全国の天気予報で映る東京の晴れ空にいつも嫉妬していた。なんで東京は晴れているのに、こっちはこんなに空が鉛色なんだろう、って。

そんなことを言っても仕方ないので、わたしは東京に来た。他にいくつも理由はあるけれど、晴れ空のもとに多くいたいからというのもある。無意識に日光を求めていたのかもしれない。にょきにょきと生えるようなビルに遮られはするけれど、自分の足で少し歩けば陽の光が浴びられる環境ではあるから。

何度か新潟に戻るのもいいよなあと思うこともある。でも、ただ思うだけ。戻らない理由はうまく言えないけど、まだ東京にいたいだけなんだろうな。そんなことをぐるぐる考えながら、わたしは今日も人の多い東京を漂っています。

(新潟の雪もひどくなりせんように。)